
はじめに:家の中の“つまずき”が大きな事故につながる前に
日本は世界有数の長寿社会。
高齢者や障がいのある方ができるだけ長く自宅で暮らせるようにするには、住まいの安全性が欠かせません。
「段差でつまずきそう」「浴室が寒くてヒヤリ」「廊下が暗くて怖い」
それらを改善するのが「バリアフリーリフォーム」です。
この記事では、バリアフリーリフォームの必要性・施工内容・費用・補助金・実例などを詳しく紹介します。
バリアフリーとは?何のために行うの?
✅ 定義:
バリアフリーとは、「物理的・心理的・制度的障壁(バリア)を取り除くこと」。
住宅でのバリアフリー化とは主に、段差の解消、手すり設置、滑りにくい床材の導入などを指します。
✅ 目的:
- 高齢者の転倒・転落事故を予防
- 要介護者や障がい者の自立支援
- 介護する側の負担軽減
- 長く住み続けられる家にする
主なバリアフリーリフォームの内容
内容 | 詳細 |
---|---|
段差の解消 | スロープの設置/敷居の撤去/床のフラット化 |
手すりの設置 | トイレ・浴室・階段・玄関などに安全確保のため配置 |
床材の変更 | 滑りにくくクッション性のある素材(例:コルク・長尺シート)に変更 |
廊下や出入口の拡張 | 車椅子対応に必要な幅(約80cm〜)に広げる |
扉の交換 | 開き戸から引き戸にすることで安全性・開閉のしやすさUP |
トイレ・浴室の改修 | 手すり+広い空間+段差なしで安心して利用できるように |
費用の目安(一般的な相場)
工事内容 | 費用目安(税込) |
---|---|
手すり設置(1ヶ所) | 1万円〜3万円 |
段差解消(敷居撤去など) | 2万円〜5万円 |
床材変更(6畳程度) | 8万円〜15万円 |
引き戸への交換(1ヶ所) | 5万円〜15万円 |
トイレのバリアフリー改修 | 15万円〜40万円 |
浴室の段差解消+手すり設置 | 30万円〜80万円 |
※工事範囲や建物の構造、設備のグレードで大きく変動します。
補助金制度でお得にリフォーム!
✅ 高齢者住宅改修費助成(自治体)
- 【対象】要支援・要介護認定者、または65歳以上の高齢者
- 【補助額】上限20万円(自己負担1〜3割)
✅ こどもエコすまい支援事業(一部対応)
- 【対象】バリアフリー改修+省エネ対策を組み合わせるケース
- 【補助額】工事内容により加算方式(1項目数千〜数万円)
✅ 障がい者住宅改修補助
- 【対象】身体障害者手帳保有者など
- 【補助額】自治体により異なる(上限20万円〜50万円)
実例:80代の両親のためにバリアフリー化した戸建て
- Before: 段差が多く、浴室と廊下の温度差が激しい
- After: 廊下〜洗面所〜浴室の床をフラットに統一
ヒートショックを防ぐための浴室暖房乾燥機も導入
➡️ 両親から「夜中のトイレも安心」と好評。
介護する子ども世帯も「負担が軽くなった」と満足
よくあるQ&A
Q. バリアフリー工事って何歳から検討すべき?
A. 一般的には60代後半〜。ただし「転ばぬ先の杖」として、50代からの準備もおすすめです。
Q. 子育て家庭にも有効ですか?
A. はい。手すりや段差のない床は小さなお子さんの安全性向上にも有効です。
Q. 工事中の生活はどうなる?
A. 工期は短いもので1〜2日、大きな工事でも1週間前後。
生活への支障は比較的少ないリフォームです。
まとめ:安心・安全な家は「誰にとっても」価値がある
バリアフリーは、高齢者や介護が必要な人のためだけのものではありません。
将来を見越して家を整えておくことは、すべての世代の安心につながります。
「つまずいた」「寒い」「怖い」
そのちょっとした不安を**“安全”に変える工事**が、バリアフリーリフォームです。
まずは、身の回りの「危険予備軍」をチェックしてみましょう!