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外壁塗装を依頼する業者を選定する際、いくつかの業者の見積書を比較することが一般的です。
しかし、この見積書の見方がわからなければ、比較するポイントもわかりません。見積書の書き方は業者により異なりますが、外壁塗装を依頼する側がチェックすべきことは決まっています。
チェックすべきことは屋根塗装を依頼する際もそれほど変わりません。この記事では見積書の見方を説明しているので、これから外壁塗装や屋根塗装を依頼しようとお考えの方は、ぜひ読んでみてください。
外壁塗装の見積書の見方を覚えておきましょう
見積書は、ただ料金を知るだけのために存在する書類ではありません。見積書は、業者選びの参考になる情報の宝庫です。
外壁塗装を依頼する立場からすれば、料金は重要な要素であることは間違いありませんが、それ以外にも見積書から見えてくることはたくさんあります。たくさんの情報が書かれているように見える見積書でも、重要なことが一切書かれていない見積書もあります。
作業を依頼する側が見積書から知るべき情報は、塗料のメーカーや銘柄、価格、作業内容など多岐にわたります。
知るべき情報を知っていれば相場もすぐにつかめますし、不用な作業を見積書に記載している業者もすぐに見分けることが可能です。見積書の見方を知っておくことは、作業を依頼する側にとってメリット以外の何物でもありません。
外壁塗装の見積書の構成
業者により書き方は異なるとはいえ、外壁塗装の見積書はおおむね、以下のような構成で書かれています。
足場の項目
足場は、塗装工事の費用の2割を占めるほどお金のかかる必須の設備です。通常は「㎡」で外壁の面積が記載されています。足場とともに設置される飛散防止シートの費用も、この足場の項目に記載されることが多いようです。
養生の項目
塗装工事で欠かせない養生。ビニールシートやマスキングテープなどを利用して、近所の建物や車、物などに塗料がつかないようにガードします。
洗浄の項目
塗装を始める前に、塗装をする面に付着しているカビやコケ、汚れなどをきれいに取り除く必要があります。通常は高圧洗浄機を使って作業をしますが、業者によっては作業内容まで見積書に記載しないことがあるので、記載がないようなら確認したほうがいいでしょう。
外壁の項目
外壁の項目でもっとも重要なのは「塗りの回数」です。外壁塗装は「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回塗りが基本です。特別なデザインを施す場合は4回以上塗り重ねる場合もありますが、まずチェックすべきは確実に「3回」の塗装作業があるかどうかです。下塗りを「シーラー」もしくは「プライマー」、中塗りと記載せずに上塗りを2回と記載している業者もありますが、とにかく重要なのは3回以上の塗装回数です。
外壁の項目では、「下地調整」の作業も見逃せません。
下地調整は下塗り前の調整作業で、これをしっかり行うことが、塗装の出来映えを決めると言っても過言ではありません。
サイディングボードの外壁の場合は、コーキングについて記載されているかどうかも必ず確認してください。コーキングは、サイディングとサイディングの間や建材とサイディングの間を埋めている防水材です。
コーキングが劣化した場合は剥がしてから新たに打ち替えますが、少しだけ削り、その上からコーキングを増し打ちする業者も存在します。コーキングは雨水の浸入から家を守る重要な役割を担っているので、ここで手を抜くような業者は信用できません。
外壁塗装の見積書のチェックポイント
外壁塗装の見積書で絶対にチェックしなければならないポイントをまとめてご紹介します。
塗りの回数
先ほども触れましたが、塗りの回数は非常に重要なのでもう一度、その理由も含めてご説明します。
下塗り、中塗り、上塗りと3回塗装を繰り返すのには当然、理由があります。
下塗りは、外壁と塗料をしっかり密着させるために行います。外壁に直接上塗り用の塗料を塗っても、塗料は外壁を保護するというその重要な役割を果たすことができません。
下塗りのあと、中塗り、上塗りと塗料を重ねることで、塗料はようやく本来の役割を果たせます。
塗料のメーカーや銘柄、種類の記載
塗りの回数同様、塗料のメーカーや銘柄、種類の記載があるかどうかも確認しておきましょう。外壁にはシリコンやフッ素塗料がよく使われます。メーカーや銘柄、種類の記載があれば、メーカーのホームページでどんな特徴を持つ塗料なのか確認することも可能です。
下地調整の作業内容
外壁のセクションに記載される「下地調整」や「下地処理」は、塗装の仕上がりを決める重要な作業なので、その内容まで書かれているかどうかしっかり確認してください。「一式」などと記載する業者は論外です。
サビ落とし(ケレン)
サビ落としも塗装前の重要な作業のひとつです。見積書に見当たらない場合は、必ず業者に確認してください。下地調整に含まれている場合もありますが、いずれにしても作業内容を確認する必要があります。
「一式」には要注意
「一式」は、業者にとっては便利な言葉かもしれませんが、作業を依頼する側にとっては何のことだかまったくわからないあやふやな言葉です。
塗装工程ごとに詳しく作業内容や料金が記載されている見積書はわかりやすいですし、見積書はそうあるべきです。一式という言葉だらけの見積書を出してくる業者は、信頼するに値しません。
「諸経費」にも注意
「一式」と同じくあやふやな言葉に「諸経費」があります。諸経費という言葉が見積書に記載されている場合は、その内容を確認しなければなりません。何をするのかわからない経費に1万円も2万円も払わされてはたまったものではありません。
保証に関する記載
見積書に保証に関する記載がある場合は、その内容についてもしっかり確認します。保証については別途、書面を用意してもらうことになります。
まとめ
外壁塗装や屋根塗装の見積書には、料金以外にも工事を依頼する側が知るべき情報が書かれていなければなりません。見積書は信頼できる業者を判断する材料です。