こんにちは!住宅総合リフォームさざんかです。
今回は、防水工事の現場でよく行われる「炙り戻し」について、少し詳しくご紹介したいと思います。
一見するとただの下地処理のようですが、この作業が仕上がりや耐久性を大きく左右する大切な工程なのです。
◆防水工事の目的と下地の重要性
住宅やマンションの屋上、ベランダ、バルコニーなどは、常に雨や紫外線にさらされています。
年月が経つにつれて、防水層にひび割れや膨れ、浮きといった劣化症状が出てきます。
放置すると雨水が内部に浸入し、建物の構造体にダメージを与える可能性があります。
だからこそ防水工事が必要になるのですが、ここで重要なのは「新しい防水材を塗るだけでは長持ちしない」ということ。
実は下地の状態が悪いまま施工を行っても、防水材はしっかり密着せず、短期間で剥がれたり不具合が再発したりしてしまいます。
◆炙り戻しとは?
そこで登場するのが「炙り戻し」です。
炙り戻しとは、既存の防水層や下地にできた浮き・膨れの部分を、そのままにせず、専用のバーナーや工具を使って表面を炙り、密着を回復させる作業のことです。
膨れてしまった部分に熱を加えることで、防水層と下地が再び密着し、施工後に不具合が出にくくなります。
つまり、防水層の寿命を延ばすための下地処理なのです。
◆なぜ炙り戻しが必要なのか?
劣化した防水層は、紫外線や雨水、温度変化などの影響を受けて少しずつ浮いてきます。
浮いたままの状態で上から新しい防水材を施工すると、次のようなトラブルが起こりやすくなります。
- 施工後すぐに剥がれる
- 内部に雨水が浸入しやすくなる
- 膨れや割れが再発する
- 耐用年数が大幅に短くなる
つまり、下地の浮きや膨れを「見て見ぬふり」してはいけないのです。
炙り戻しを行うことで、密着不良を防ぎ、施工後の安心感が格段に高まります。
◆施工の流れ(炙り戻しを含む)
- 現地調査・点検
まずは屋上やバルコニーの現状をチェックします。ひび割れや膨れがどの程度あるかを確認し、必要な補修方法を判断します。 - 下地処理
古い防水材の劣化部分を除去したり、ひび割れを補修したりします。ここで炙り戻しが必要な箇所には、バーナーや工具を使用して浮きを押さえ込み、密着を回復させます。 - 防水材の塗布
下地処理が終わったら、プライマーを塗布して防水材との密着を高めます。その後、防水材を複数回に分けて塗布し、厚みを確保します。 - トップコート仕上げ
最後にトップコートを塗って、紫外線や摩耗から防水層を守ります。
◆施工事例から見る効果
実際の施工前後の写真を見ていただくと、違いは一目瞭然です。
施工前はひび割れや浮きが目立ち、雨漏りのリスクが高い状態でした。
しかし炙り戻しを含めた下地処理をしっかり行ったうえで防水工事を施すと、見違えるようにきれいな表面に仕上がりました。
雨漏りの不安がなくなるだけでなく、見た目の清潔感もアップし、建物全体の印象が明るくなります。
◆定期メンテナンスの重要性
防水層は一度施工すれば永久に持つものではありません。
環境によっても異なりますが、10年〜15年を目安に点検やメンテナンスを行うことが推奨されています。
特に炙り戻しのような下地処理は、目に見えない部分だからこそ「プロの技術」が問われる作業です。
定期的に点検し、早めに補修を行うことで、大規模な改修工事を避けられる場合もあります。
◆まとめ
炙り戻しは、ただの下処理ではなく「防水層の寿命を延ばすための大切な工程」です。
しっかりと手間をかけることで、防水材の密着が良くなり、耐久性や安心感が大きく向上します。
「屋上やベランダの防水、そろそろ点検した方がいいかな?」と思ったら、ぜひお気軽にご相談ください。
無料点検・お見積もりを承っておりますので、建物の健康を守る第一歩としてぜひご活用ください。